大腸ポリープは大腸ガンになる?

大腸ポリープはガンの可能性がある?

 

大腸ポリープの検査で引っ掛かり、今度手術の可能性が・・・

 

このような不安を抱えた方が安心できるよう、大腸ポリープについて、消化器科に詳しい看護師に記事を書いてもらいました!


 

 

こんにちは!看護師の大菊です。

 

大腸にポリープが見つかり、「もしかして悪性のがんではないか」など不安になっていらっしゃる方も居るかと思います。

 

また、見つかったポリープはどうやって治療していくの?などの疑問もあるでしょう。

 

このような不安や疑問に、現場経験のある看護師の私が詳しく解説いたします!


 

はじめに、大腸ポリープの基礎の話をしていきます。

 

腸の”できもの”大腸ポリープって何?

「こないだ検査で引っかかって、大腸ポリープがあるって言われたの〜」

 

このような会話を、消化器科に勤めていると日常的に耳にします。

 

皆さんも実際、耳にする機会の多い病名の一つなのではないでしょうか。

 

 

大腸ポリープは、検査してみないと発見の難しい「大腸のできもの」です。

 

一体どうしてできるのでしょう?また、ほおっておいて大丈夫なのでしょうか。

 

大腸ポリープのできる原因は?

実は、大腸ポリープができる原因ははっきりとわかっていません。

 

しかし、脂肪やたんぱく質を多く取りすぎる生活を送っている人や便秘の人は、大腸ポリープができやすいと言われています。

 

これは、便が作られるときと便が停滞しているときに大腸が刺激されるためである、と考えられています。

 

 

便が停滞し便秘が発生することで腸内細菌のバランスが崩れ、それにより悪玉菌の増殖が起こります。

 

増殖した悪玉菌は毒素などを生成、それが大腸の表皮にダメージを与えるのです。

 

ダメージを受けた大腸は、その表皮を修復しようとします。

 

この時、細胞が過剰につくられてしまったものがポリープです。

 

 

また、大腸ポリープが「できやすい体質」の方もいます。

 

便秘など、原因に思い当たる節が無いにも関わらず大腸ポリープが見つかったら、「自分はポリープができやすい体質かもしれない」と意識しておくといいでしょう。

 

大腸ポリープって”大腸がん”になるの?

「検査でポリープが見つかりましたよ」と医師から言われて、「がんですか?!」と深刻そうに尋ねる患者様がいらっしゃいます。

 

しかし、ご安心下さい。大腸ポリープ=がん というわけではありません。

 

むしろ、ガンの可能性は低いくらいです。

 

大腸ポリープの中には「将来がんになる可能性がありますよ」という種類のものがありますが、ほとんどの場合は良性のポリープです。

 

ガンになる大腸ポリープと、ガンにならない大腸ポリープについて

大腸ポリープにはどのようにな分類があるかについて少し説明をします。

 

大腸ポリープは

  • @ がん
  • A 腺腫(せんしゅ)
  • B 炎症性ポリープ
  • C 過形成ポリープ

に分けられます。

 

大腸ポリープは、大腸カメラなどの検査を受けて見つかるのが一般的ですが、検査で見つかる割合が高いものとして、まずC過形成ポリープが多く、次いでA腺腫(せんしゅ)が多くなっています。

 

@大腸がんは早期での自覚症状が出にくいと言われているがんの一つです。
無症状の段階で検査で見つかった場合、早期がんであることが多いです。
ポリープと呼ばれるものは丸い形のものが多いのですが、がんはいびつな形になります。

 

C過形成ポリープはその名の通り、「形成されすぎた」ポリープです。

 

A腺腫ですが、昔はがんになると言われていました。
しかし今は、「腺腫の中の一部は将来がんになる可能性がある」という程度に考えられています。

 

B炎症性ポリープは、腸に強い炎症を起こすような病気にかかった後にできるポリープです。
腸に強い炎症が起きる既往症がなければ、出来る心配は不要です。

 

大腸ポリープの診断はどうやってするの?

では、大腸ポリープの診断をどのようにしているのかについて説明していきます。

 

 

大腸ポリープは「ほとんど無症状」です。

 

ですので、注腸造影検査をした時や大腸カメラを行った時に初めてわかる場合がほとんどです。

 

 

注腸造影検査とは、バリウムという造影剤をお尻から注入し、レントゲンを撮る検査です。

 

レントゲン検査時に、ポリープがあると影が写ります。

 

 

大腸カメラは、肛門からファイバースコープと呼ばれる細長いカメラを入れて、大腸全体を見ます。

 

医師が直接見ることでポリープの有無がわかります。

 

 

ポリープの種類は、見た目の特徴でおおよそ判断がつきます。

 

見た目だけでがんかどうか判断しにくいポリープや、過去に検査を受けた方で前回よりもポリープが大きくなっている場合は、検査中にポリープの組織を少し採って細胞の検査に出します。

 

組織の検査結果が出るにはおよそ1週間かかりますので、改めて来院をお願いし、検査結果をお話しすることになります。

 

大腸ポリープの治療法は?取った方がいいの?

大腸ポリープは切除すること以外では、基本的になくなることはありません

 

まれに自然にぽろっと脱落することはあるようで、定期的に検査を受けている患者様で「前ポリープがあったところに今回はありませんでした」ということがありますが、極めてまれなことです。

 

一般的に、がんではないのであれば、大腸ポリープは取らない傾向にあります。

 

では、ポリープを取るというのはどのような場合でしょう。

取らなくてはいけないポリープ

  • ポリープが大きく、出血しやすいと考えられる場合
  • 排便に影響しそうなポリープが見つかった場合
  • 検査前に患者様から「ポリープがあったら取ってほしい」と強いご希望があり、また取ることが可能であると判断された場合

 

このような場合に、大腸ポリープを取ることになります。

 

ポリープ切除は、患者様の許可が得られれば見つかったその場で取ることもありますし、後日改めてポリープを取るためにご来院いただくこともあります。

 

これは、ポリープの状態や患者様の都合などで判断します。

 

大腸ポリープを取った後に気をつけることは?

大腸ポリープを取るには入院が必要です。

 

ポリープを切除する際には患部を焼き切るので、出血があります。

 

また、ごく小さなものであれば日帰りが可能な場合もありますが、通常ポリープを取った箇所は大腸の粘膜が薄くなり、出血しやすい状態となります。

 

ですので、止血と出血予防の処置が必要となり、点滴や内服で薬の投与をするため、日帰りが難しいのが現実です。

 

 

ポリープを切除した後は、数日間運動を控え、食事も当日はなし、翌日から消化に良いものを少しずつ摂るなどの制限があります。

 

生活指導に関しては、看護師から退院前にお話しさせていただきます。

 

入院日数や安静の程度、食事などの制限はポリープの大きさや取り方によって違ってきます。

 

大腸ポリープのまとめ

 

大腸ポリープはそのほとんどが良性です。

 

しかし、ポリープが見つかった場合には2〜3年で定期検診を行うのが良いとされています。

 

これは、ポリープががん化する可能性や、他の場所にポリープができている可能性があるためです。

 

大腸ポリープの原因の一つには高タンパク・高脂肪の食生活が挙げられています。

 

また、便秘もポリープの一つの原因とされていますので、ポリープ予防に食生活の改善や運動をするなど、生活習慣を見直してみましょう。

 


 

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