大腸がん

大腸がんの原因と症状、病院での検査〜手術方法までの基礎情報

 

血便、残便感などの不調があり、
もしかしたら私は大腸がんなのでは?
と不安に思われている方へ。

 

現場経験のある看護師さんから、大腸がんの基礎的な情報を教えてもらいましょう。


 

こんにちは!看護師の大菊です。

 

大腸がんってどんな病気?と思われている方へ。

 

がんの中でもゆっくり進行する大腸がんは、すぐには症状が出ません。

 

ですので、早期発見できるかどうかがその後の健康に関わってきます。

 

そんな大腸がんについて、肛門科・消化器科で現場経験のある看護師の私がわかりやすくお話しします。


大腸がんってどんな病気?原因はなに?

人間の細胞は常に古い細胞が死に、新しい細胞が生まれています。

 

人の体が新しく細胞を作る際、細胞分裂が起き、そこで遺伝子のコピーが行われますが、まれにコピーの失敗が起こることがあります。

 

コピーに失敗した遺伝子を持つ細胞の一部は異常に増殖し、やがて正常な細胞の働きを脅かしていきます。

 

これががんのメカニズムになります。

 

 

このがんとなるきっかけをつくる生活習慣として、喫煙・飲酒・食生活・運動不足などが挙げられます。

 

中でも大腸がんは食生活の影響を受けやすく、高脂肪で食物繊維の少ない食事が習慣となりやすい現代では要注意のがんということになります。

 

実際、大腸がんは年々増加しています。

 

2014年の厚生労働省のデータによると、がんで亡くなる人の中で大腸がんが占める割合は男性第3位女性第1位となっています。

 

また、大腸がんにかかるの人の割合は50代頃から増えていく傾向があります。

 

大腸がんは痔と似た症状もあるので要注意!

大腸は盲腸・結腸・直腸に区分されます。

 

部位ごとのがんの発生率は、約6割が結腸、約3割が直腸と言われています。

 

大腸がんは早期のうちは症状がほとんどなく、進行していくにつれ、

  • 排便時に出血が見られる
  • 腹痛
  • 便秘や下痢になりやすくなる
  • 便が細くなる
  • 排便が終わってもスッキリしない感じがある(残便感)

といった症状があらわれます。

 

肛門から遠い場所にがんがある場合には便に混ざった血液は黒っぽくなりますが、肛門に近い直腸にがんがある場合には便の中に赤い血が見られます。

 

他の症状も含めて痔と症状が似ているため、「痔だと思って」そのままにしてしまい、だいぶ進行してしまってから受診される方もいらっしゃいます。

 

大腸がんと診断するにはこんな検査をします

大腸がんは、検診の便潜血検査が陽性になったことがきっかけで見つかることが多い病気です。

 

 

便潜血検査が陽性になると、精密検査として大腸内視鏡検査が行われることになります。

 

大腸内視鏡検査では大腸の中を直接見ることができるので、がんと疑われる腫瘍があるかを目視で確認できます。

 

実際に腫瘍が見つかった場合には、良性なのかどうか判断するために組織を少し採って検査する「生検」を行います。

 

この生検は、結果が出るまでに数日かかります。

 

 

組織検査をした結果、「がん」ということになると、他の検査も行ってがんの進行具合や転移がないかなど細かく調べていきます。

 

検査は注腸造影検査、エコー検査、CT検査、MRI検査、PET検査、血液検査、直腸検診を行います。

 

これらの検査の結果から、がんの進行度を判断します。

 

がんの進行度、病期(ステージ)はこうなっています

次に、がんがどのくらい進行しているか、それをどのように判定しているかについてお伝えしますね。

 

大腸がんは

  • がんが大腸壁のどこまで深く進んでいるか
  • 周辺のリンパ節に転移しているかどうか、転移している場合にはその数がいくつあるか
  • 他臓器への転移があるかどうか

以上の点を合わせて病期(ステージ)をあらわします。

 

 

大腸のどのあたりまで深く進んでいるかは「進達度」といい、6つに分けられています。

 

進達度、リンパ節への転移度合い、他臓器への転移についての判断を合わせて、病期(ステージ)を診断します。

 

手術や治療法について

大腸がんの治療方法には以下のものがあります。

  • 内視鏡治療
  • 手術治療
  • 化学療法
  • 放射線療法

 

大腸がんの治療「内視鏡治療」

内視鏡治療が行われるのは、リンパ節転移の可能性がないと考えられ、かつ腫瘍が内視鏡で切除できる部位と大きさであるという場合です

 

大腸がんの治療「手術治療」

手術治療では、がんがある部位とその大きさ、リンパ節転移の状態によってその手術の方法が変わってきます。

 

がんの状態によっては人工肛門を作り、一時的に、または一生人工肛門での生活になることもあります。

 

 

手術療法には、お腹にメスを入れて開きながら行う開腹手術の他、お腹に小さな穴を4〜5か所開け、そこにカメラや手術器具を挿入して手術を進めていく「腹腔鏡下手術」という方法があります。

 

腹腔鏡下手術は、開腹手術よりも術創が小さく痛みも少ないされ、また回復も早く入院期間が短くなるメリットがあります。

 

腹腔鏡下での手術は、がんのステージはもちろん、患者様の既往歴や全身状態から手術可能かどうか判断されます。

 

大腸がんの治療「化学療法」

化学療法は、手術治療の後に再発を抑える目的で行ったり、がんや患者様の状態から手術での切除が不可能な場合に行います。

 

大腸がんの治療「放射線療法」

放射線療法は、主に直腸がんにおいて、手術の前にがんを小さくしておくことで生存率の向上や肛門の温存を図ったり、手術後の再発を抑えるために行います。

 

大腸がんでの入院と術後について

治療法の選択は、病期や患者様の既往歴、全身状態、年齢などを踏まえて考えていきます。

 

ごく初期のものであれば1週間ほどの入院で済む場合もありますが、治療にはだいたい2週間ほどは入院することになります。

 

 

手術の前に化学療法や放射線療法を行う場合には、副作用が出ることもあります。

 

副作用が出ないよう、あらかじめ薬を使うこともあります。

 

もし副作用が出てしまった場合には、症状をできるだけ軽くできるよう、看護師がお手伝いいたします。

 

 

手術が決まっている患者様には、手術前の呼吸訓練の指導や手術までの流れ、手術の後の様子をイメージしていただけるようお話しをしていきます。

 

手術が終わった後は、患者様の社会復帰に向けてあらゆるお手伝いをさせていただきます。

 

退院後の生活の仕方や食事の注意点はもちろんのこと、もし人工肛門での生活になった場合にはご自分で人工肛門の管理ができるように指導させていただきます。

 

看護師のまとめ

 

 

大腸がんは、普段から定期検診を受けることで、症状が出る前に発見できるがんです。

 

早期に治療できれば完全に治る確率も高くなります

 

普段から食生活をはじめとする生活習慣に気をつけ、検診もあわせて行うことで健康を保っていきたいですね。


 

薬剤師よりひとこと

 

ガン細胞は一日5,000個発生していると言われています。

 

しかし、健康な方がガンにならないのは、NK細胞という免疫細胞が毎日働いて、ガン細胞を除去してくれているからです。

 

NK細胞を活性化させるためには腸内環境(腸内フローラ)を善玉菌優位に整える必要があります。

 

便秘の方は便秘を改善して悪玉菌が育ちにくい環境にし、便通が良い方でも普段からの食事管理や善玉菌摂取を意識的に行ってほしいところです。

 

善玉菌と悪玉菌と乳酸菌サプリについて
興味がありましたらこちらのページをご覧ください。

 


 

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