痔の原因と種類

日本人の1/3は痔持ち?!痔になる原因や治療法まとめ

 

便秘が原因で痔を発症したり、はたまた痔が便秘の原因となったりと、痔と便秘とは互いに切っても切り離せない関係にあります。

 

そこで「便秘解消プロジェクト」としても痔という病気について触れていきたいと思います。

 

 

私が薬剤師として肛門科の門前の薬局で働いていた時に、毎日のように痔の患者さんとお話しする機会がありました。

 

そこで感じたのは、患者さんの多くが「肛門科に行くのは恥ずかしいので行きたくない」ということです。

 

その気持ち、とてもわかります。

 

 

しかし、相当悪化してもう限界!というところまできてやっと病院を受診するという重症の患者さんが多数いました。

 

そうなると、入院・手術などとオオゴトになりますし、職場にも「痔の手術で入院します」と公表しなくてはならなくなります。

 

このようなことにならないよう、病院に対する不安解消のため、肛門科勤務経験のある看護師に内情を書いてもらいました。

 

ぜひ参考にしてください。


 

 

こんにちは!看護師の大菊です。

 

私は以前、肛門科に勤務していたことがあります。

 

その際、患者様から「恥ずかしい...」「本当は不安」といった悩みをよく聞きました。

 

そこで、少しでも不安が和らぐよう、病院内でどんなことをするのかについてや痔の基本的なこと、検査・治療などについて分かりやすくお伝えしますね!


 

痔はデリケートな部分の病気だけあって、なかなか人には相談できないものです。

 

しかし実は、日本人の1/3は痔で悩んだ経験があるといいます。

 

そのような多くの人が悩む痔について、基本的な情報として、痔の仕組みや原因などから知っていきましょう。

 

痔の種類とは?

痔は大きく分けて3つの種類があります。

 

痔核」(内痔核と外痔核)と「裂肛」、そして「痔ろう」です。

 

一般的に「いぼ痔」と呼ばれているものが痔核です。

 

「切れ痔」は裂肛、「あな痔」は痔ろうのことをそれぞれ指しています。

 

 

肛門には、肛門括約筋という肛門を締める働きをする筋肉があります。

 

その肛門括約筋の周りには血管(静脈)がたくさん走っています。

 

痔の発症には実は、その血管の問題が原因となることがほとんどなのです。

 

それでは、具体的に痔になる原因について考えていきましょう。

 

 

痔の原因|どうしてなるの?

肛門の周りの血管(静脈)には弁がなく、また心臓より下に位置していることから血流が滞りやすい部位になります。

 

痔の中で一番多く症例がみられる痔核は、血流の滞りが発症の要因となります。

 

「痔核」(内痔核と外痔核):いぼ痔の原因

 

生活環境や排便習慣が主な原因です。

 

また、出産によって肛門に負担がかかり、うっ血したり肛門を中から支えるクッションの部分が引き伸ばされることによって発症することもあります。

 

裂肛:切れ痔の原因

排便リズムの不調や食生活が関係します。

 

痔ろう:あな痔の原因

肛門の炎症が続いたり、菌に感染することで発症します。

 

痔になりやすい生活パターン

  • 座ったままの姿勢が長く続く仕事をしている
  • トイレの時間が長い
  • 便秘がち、または下痢になりやすい
  • アルコールや辛いものをよく摂取する
  • 体の冷えやストレス
  • 出産や排便時のいきみすぎ

 

このように、肛門の負担が大きい事が主な原因となります。
思い当たるふしのある人は、生活習慣や職場環境の見直しを行い、お尻をいたわれるように改善してみましょう。

 

痔の症状について

痔の種類によって症状は少しずつ異なります

 

出血

一般的に外痔核より内痔核の方が出血は多くなります。
出血は排便が終わるとおさまります。

 

脱出:ポロっと外に出ている状態

痔核が大きくなってくると、排便と一緒に痔核が肛門外に出てしまいます。
排便が終わっても便意を感じたりします。

 

肛門の痛み

裂肛(切れ痔)の場合、排便時に強い痛みが走り、排便後もしばらくはじわじわと痛みが続きます。
痔核の中にも痛むものがあります。

 

肛門の痒み

痔ろうの症状として、痛みのほかに痒みが出たり、熱が出ることもあります。
化膿が進むと肛門周囲が腫れて、痔の穴が内部から外まで通じてしまった場合にはそこから膿や分泌物が出ます。

 

病院での診察|痔の診断方法は?

まず、医師が目視で肛門とその周囲の状態を見ます。

 

診察の際は、膝を両腕で抱えるような体勢を取ります。

 

続いて、医師が痔の状態を直接触って調べます。

 

肛門鏡という器具を使用して、普段閉じている肛門を少し広げて直腸の中の状態を見ることもあります。

 

直接触れて診察する時には、麻酔薬入りのゼリーをつけて患者様の苦痛を最小限にします

 

これらの視診と触診の結果で痔の診断をします。

 

 

また、ほとんど自覚症状がない程度の痔がある場合、検診で大腸カメラを使用した際に診断されることもあります。

 

病院のプライバシーについて

診察室はプライバシーが守られるように配慮してあります。

 

病院によっては、女性のみの外来日をもうけている病院もあります。

 

医療者も、診察ができるだけ短時間で終わるように心がけています。

 

肛門科の治療|痔の治療法について

痔の治療法は、痔の種類や進行具合、患者様の状態に合わせて選択されます。

 

痔の症状が軽い場合

生活習慣や食生活の見直しの方法を指導され、内服薬や外用薬で排便をコントロールし、肛門への負担を軽くします。

 

痔の症状がひどくなると

内服薬・外用薬を使い生活習慣を整えてもなお悪化してくるような症状となると、外科的な処置が始まります。

 

硬化療法(日帰り〜3日程度の入院)

硬化療法は内痔核に対する治療法です。
薬液を内痔核に注入することで痔核への血流を遮断し、痔核を硬く小さくします。

 

手術で痔核を切るということをしないので、患者様の負担が少なくなります。

 

ゴム結紮療法(日帰り)

内痔核にゴムをかけて壊死させ、脱落させる治療法です。
痔の自然脱落までは1週間から10日ほどかかります。

 

手術療法(約1週間程度の入院)

手術療法には、痔核を根元から切り取り縫い合わせる結紮切除術や、痔が全周性である場合、または広い範囲で見られる場合に適応となるPPH法があります。

 

治療後しばらくは治療部位の痛みや腫れがあります。

 

治療法によっては熱が出ることもありますが、必要に応じて痛み止めや解熱剤などで症状の軽減を図ります。

 

 

痔は、生活習慣と排便のコントロールが重要で、きちんと管理しないと再発しやすくなります。

 

入院治療の場合には、退院まで便の状態を観察しながら患者様に合わせて内服薬の調整を図り、社会復帰の時期、退院後の生活についての指導を行います。

 

 

 

痔を持つ方は、「恥ずかしい」「入院が嫌」「仕事が休めない」などの理由で、症状がひどくなって本当に困ってから受診されることがほとんどです。

 

 

痔は日本人の多くが抱えている病気です。

 

実際に受診をして「仲間がたくさんいて安心した」という声も聞かれます。

 

また、痔の症状のほかにも、他の腸の病気などが隠れているかもしれません。

 

 

早めに治療すれば体の負担経済的な負担軽く済むので、悪化してから病院に来るのではなく、早めの受診をおすすめします。

 

どこの病院でもプライバシーの配慮は適切に行っていますので、安心して来院してください。


 

 

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