潰瘍性大腸炎の原因から症状、治療方法までを看護師が解説!

潰瘍性大腸炎の原因から症状、治療方法までを看護師が解説!

 

症例数が少ないものの、腹痛や下痢の症状のある腸の病気「潰瘍性大腸炎」。

 

この病気の原因や治療方法について、現場経験のある看護師さんから紹介してもらいます。


 

こんにちは!看護師の大菊です。

 

腸の病気で「潰瘍性大腸炎」というものがあります。

 

ちょっと聞き慣れない病名かも知れませんが、国から難病指定されている慢性疾患で、誰でもかかる可能性のあるものです。

 

今回はこの病気について、詳しくお話ししますね。


 

潰瘍性大腸炎とは?原因はあるの?

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜にびらんができたり炎症が起きてしまうことで、大腸の機能がうまく果たせなくなる病気です。

 

残念ながら原因はわかっていませんが、遺伝的な要因と食生活を中心とした生活習慣が関係しているのではないかと言われています。

 

原因が不明のため、完治する治療法もまだ確立されておらず、国から難病疾患として指定されています。

 

日本人では1万人に10人、この病気にかかっていまおり、発症確率はアメリカの半分の数字です。

 

20代の若い人に発症しやすい病気ですが、どの年代でも発症します。

 

発症する男女比に差はありません。

 

 

発症をした場合、主に大腸粘膜の炎症を抑える治療をすることで、症状の落ち着いた「寛解」と呼ばれる状態にすることを目指します。

 

寛解してもまた「再燃」し、再び炎症やびらんができてしまって病状が悪化することもあります。

 

潰瘍性大腸炎とは、この「寛解」と「再燃」を繰り返す慢性的な病気です。

 

症状のコントロールさえ図れていれば、この病気自体が直接命に影響を及ぼすことはありません

 

潰瘍性大腸炎になるとこんな症状が出ます

潰瘍性大腸炎は発症をすると徐々に炎症が広がっていくのですが、食べたものが腸を通るのと反対方向に炎症が進んでいくという特徴があります。

 

つまり、肛門近くの直腸側から始まった炎症が、症状が進むにつれ大腸の入口の方に向かっていきます。

 

 

症状としては、炎症やびらんができることで下痢血便がみられます。

 

また、突発的な強い腹痛が現れたり、持続的な腹痛が起こったりします。

 

重症になると体重減少、貧血、発熱、頻脈がみられます。

 

 

潰瘍性大腸炎は、病気の広がり方や重症度、臨床経過によって3つの型に分類されます。

 

また、腸以外にも合併症として症状が見られる場合があり、口内炎や関節炎、眼の炎症などを引き起こすこともあります。

 

潰瘍性大腸炎の診断方法は?

診断ではまず、どのような症状があるかやその経過、今までの病歴などを問診します。

 

続いて、感染性の腸疾患などの症状が似ている他の腸疾患と区別するために、血液検査や細菌検査を行った後、レントゲン検査や大腸内視鏡検査をします。

 

大腸内視鏡検査では、「生検」といって細胞の一部を取って細胞検査も行います。

 

これらの検査を行いながら他に考えられる似た病気と区別していき、最終的に潰瘍性大腸炎と診断されます。

 

 

寛解と再燃を長期にわたって繰り返していると大腸癌の発生率が高まることが確認されているため、潰瘍性大腸炎と診断されて治療が始まってからも検査は定期的に受けることになります。

 

 

どんな治療をするの?

潰瘍性大腸炎の治療には、内科的治療法と外科的治療法、血漿成分吸着除去療法があります。

 

内科的治療法

薬を使って大腸の炎症を抑え、症状をコントロールします。

 

薬は内服するもの、お尻から注入するタイプのもの、坐薬、点滴があります。

 

患者様の状態によって薬を使い分けていきます。

 

薬によるコントロールができない時、急激な症状の悪化が見られた時、癌の疑いがある時、大腸に穴が開く「穿孔」となってしまった場合には手術による外科的治療が選択されます。

 

外科的治療法

手術適応となる患者様の多くは大腸全体に炎症が広がっているので、大腸を全部取る手術が選択されます。

 

この場合には、人工肛門となるか、小腸に便を一時的に溜める場所(回腸嚢:かいちょうのう)を作って肛門を残す手術となります。

 

どちらになるかは患者様の症状、合併症の有無、年齢などから決まります。

 

血漿成分吸着除去療法

潰瘍性大腸炎は活性化した白血球が炎症に影響を与えていると推測されていて、この白血球や血漿成分を除去することで症状の改善を図るという治療法です。

 

透析のように静脈に針を刺して血液を外へ送り、活性化した白血球を取り除く器械に通し、また体内に血液を戻します。

 

白血球を吸着して除去する方式の違いによって、GCAP・LCAPの2つの療法に分けられます。

 

病気と付き合っていくために気をつけること

寛解の状態であれば、日常生活に大きな制限はありません。

 

しかし、再燃しないために、腸に負担のかかる食生活は控えめにして規則正しい生活を送ることが大切です。

 

無理をしすぎず、ストレスを受けすぎないようにするのもポイントです。

 

症状が悪化した時には、その前に食べた食事内容を記録し、それをできるだけ食べないようにします。

 

 

入院が必要となる状態では、腹痛に苦しむ患者様が多く見られます。

 

この腹痛がかなり辛いため、使える量や頻度を患者様に合わせて痛み止めを使いながら症状を抑えます。

 

また、血便が続き、貧血となる患者様もいます。

 

疲れやすくなったり、ふらっとして転んでしまうこともあります。

 

歩く時や移動する時には十分に気をつけていただき、付き添いの方と一緒に行動するようにしていただいています。

 

 

 

潰瘍性大腸炎は1万人に10人という発症率の病気ですが、原因が不明なだけに誰しもがかかる可能性があるとも言えます。

 

難病指定されていますので治療費の助成がありますが、それでも経済的な負担や治療にかかる時間の長さなど、大変な部分も多くあります。

 

万が一「もしかして?」と思ったら、早めに病院(消化器科など)を受診されることをお勧めします。


 

 

潰瘍性大腸炎を理解したら!⇒「便秘解消プロジェクト」をチェック!

【専門家が教える】便秘解消3つのコツ

性別・年齢別の便秘対策


女性の便秘


妊婦の便秘


赤ちゃんの便秘


子供の便秘


男性の便秘


60歳からの便秘



関連ページ

痔の原因と種類
肛門科の病院勤めをしていた看護師に聞いた「痔」の病院での診察や、手術になるまでの期間や方法について
大腸ポリープは大腸ガンになる?
大腸ポリープの検査で引っ掛かりガンになってしまうのではないか?と不安な方へ手術の方法や治療方法、原因について記載します。
大腸がんの基礎
現役看護師が教える、大腸がんの基礎情報や治療方法など、現場にいた人だからこそ分かる情報を交えて紹介します。
過敏性腸症候群の症状と治療、薬について
過敏性腸症候群でお腹がすぐに緩くなったり、痛くなったり、お腹が鳴ることが悩みの方。またはストレスで便秘になってしまったりというかたに薬や対処方法の紹介です
腸閉塞の症状から治療
消化器科の看護師が教える腸閉塞の基礎情報。腸閉そくになった時の初期症状から薬の治療、病院での手術や術後の予防まで
大腸内視鏡検査する方へ
消化器科、肛門科の看護師が解説!大腸内視鏡検査の病院内ですることや注意点、流れを説明します。
善玉菌を取ると免疫力が上がる話
二人の薬剤師が、免疫細胞の活性化をする善玉菌について対話するコンテンツ。ナチュラルキラー細胞などの話
【看護師解説】入院すると快便だった人が突然便秘になる。病院での対処法とは
入院すると便秘が悪化する方の解説を看護師からしてもらいます。病院内での対応や入院中のお通じ改善について