薬剤師が解説!乳酸菌飲料は便秘に効く?効果アリ?

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乳酸菌飲料は便秘に効く?効果アリ?

 

乳酸菌飲料は独特の甘酸っぱい味が特徴の飲み物で、子供から大人まで親しまれています。

 

乳酸菌飲料というと健康に良さそうなイメージがありますが、飲むだけで本当に腸内環境は整うのでしょうか?

 

また、最近は花粉症に効果があるという製品も出てきていて、アレルギー症状に悩む方も気になるところでしょう。

 

これら乳酸菌飲料の詳しいところについて、薬剤師の斉藤が調べてみました。


 

目次:

 

青汁やスムージー、お茶など、『飲み物』での便秘対策について薬剤師が解説!

薬剤師が教える!便秘に効く飲み物は何がいい?飲む便秘解消法

 

 

乳酸菌飲料について

乳酸菌飲料とは、乳製品を発酵させた飲み物です。

 

同じく乳製品を発酵させたヨーグルトより固形分が少なくさらりとして飲みやすいのが特徴です。

 

同様の飲料は世界中にありますが、甘い製品は意外にも日本独自のもののようです。

 

 

食品衛生法では乳酸菌飲料を「乳などを乳酸菌又は酵母で発酵させたものを加工し、又は、主要原料とした飲料(はっ酵乳を除く)」と定義されています。

 

成分量で区別され、乳製品乳酸菌飲料はさらに生菌タイプと殺菌タイプがあります。

 

殺菌タイプは保存期間を長くするため発酵後に殺菌されたものです。

 

無脂乳固形分 乳酸菌数
(1mLあたり)
代表的な製品
乳製品乳酸菌飲料 3%以上 1,000万個以上 ヤクルト
乳製品乳酸菌飲料
(殺菌)
3%以上 規定適用外 カルピス
乳酸菌飲料 3%未満 100万個以上 ラブレ
(はっ酵乳) 8%以上 1,000万個以上 明治ブルガリアヨーグルト

 

無脂乳固形分とは牛乳から水分と乳脂肪分を除いたもので、たんぱく質、炭水化物、ビタミン等です。

 

ちなみに牛乳の無脂乳固形分含有割合は8%以上と決められていて、実際の製品では8.3〜8.8%程度です。

 

 

乳酸菌とは

 

乳酸菌は多くの種類がありますが人が利用しているのはごく一部です。

 

乳酸菌は生きるために糖を食べ、代謝物として乳酸を排出します。

 

これが乳酸発酵です。

 

乳酸発酵は、結果的に食品を酸性に保ち保存性を高めることから、昔から活用されてきました。

 

 

人が恩恵にあずかっている乳酸菌には植物性由来のものと動物性由来のものがあります。

 

植物性は植物に含まれる糖を分解し漬物、ぬか漬け、キムチなどの発酵を助けます。

 

動物性は牛乳に含まれる乳糖を分解し、乳酸菌飲料、ヨーグルト、チーズを作るのに欠かせません。

 

 

殺菌されていても乳酸菌は大丈夫なの?

 

殺菌済みの製品では、確かに乳酸菌などの菌は死んでしまっています

 

しかしながら、まだ研究途中の分野ですが、生きた菌はいなくても乳酸菌の菌体そのものに効果があるといわれています。

 

菌体そのものの細胞壁成分には胃酸や胆汁に強いものもあります。

 

乳酸菌飲料では菌体が大量に送り込まれるので、一部が分解されずに腸にたどり着くとする意見もあります。

 

分解されずに大腸までたどりつけば、他の乳酸菌や善玉菌のエサになります。

 

 

腸内には腸内フローラと言って多くの菌が花畑のように密集して棲み着いています。

 

棲みよいところには既に先住の菌で占められているということもあり、生きた乳酸菌を飲んでも腸内にはなかなか定着しづらいのです。

 

ほとんどは数日〜1週間ぐらいで便とともに外に出されてしまいます。

 

また、どの製品の菌が定着するのか、体調の変化を実感できるか、などについては個人差があるので、いろいろ試してみないと分かりません。

 

 

そのため、生菌が入った製品、殺菌処理済みの製品のどちらでもかまわないので、好みの味で体に合うと思った製品を定期的に摂るのがおすすめになります。

 

 

乳酸菌飲料はどう作られるか

 

それでは、乳酸菌飲料がどのようにつくられているかをご説明します。

 

まず、生乳や脱脂粉乳などの原料に乳酸菌を加え適度な温度で発酵させます。

 

発酵が十分に行われたら、冷蔵庫で冷やして発酵を止めます。

 

殺菌している製品は加熱殺菌をして冷やします。

 

最後に糖や果汁で味を調えて容器に詰め品質の検査をしっかり行ってから出荷されます。

 

 

『はっこう』は『発酵』?『醗酵』?『はっ酵』?

 

乳酸菌についての資料を見ていくと、細菌の活動を意味する『はっこう』という言葉が『発酵』『醗酵』『はっ酵』など複数の表記で書かれていることに気づきます。

 

一体どれが正しい表記なのか、この記事を書くにあたり悩んで調べてみました。

 

 

結論から言うと、どれも正しい表記として使われています。

 

本来は『醱酵』と書きますが、『醱』が常用漢字ではないので法律や製品は『はっ酵』などのひらがな表記です。

 

『醗』はコンピューターや印刷で使われるJIS規格の漢字でよく見られます。

 

ただ、『醗』も常用漢字ではないため、簡略化した『発酵』が一般的に使われています。

 

 

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牛乳よりも良い?乳酸菌飲料のメリットとデメリット

乳製品を発酵させた飲料である乳酸菌飲料は、発酵させる前の乳製品と比べてどのような違いがあるのでしょうか?

 

牛乳を例にとり、違いを見ていきましょう。

 

 

メリット

 

まず、乳酸菌飲料のメリットとして挙げられるのが、たんぱく質が乳酸菌で分解され小さいペプチドやアミノ酸になり、吸収されやすくなっています。

 

また、発酵でできた乳酸と結合したカルシウムは、単独の時と比べて体に取り入れられやすくなります

 

 

他には、日本人には乳糖の消化酵素を持っていないが多く、そういった人が牛乳を飲むとお腹がごろごろしてしまいますが、乳酸菌飲料は乳糖がある程度分解されているのでお腹がごろごろする心配が少なくなります

 

加えて、乳酸菌飲料を飲むことで腸内で増えた乳酸菌も乳糖の分解を助けます。

 

 

デメリット

 

続けてデメリットですが、乳酸菌飲料は味を調えるため砂糖などの糖分をたくさん加えてある製品が多いです。

 

たくさん飲むと当然のことながら糖分過多になりますので、飲みすぎないように気を付けましょう。

 

 

また、製造にコストがかかります

 

mLあたりの単価は牛乳より高い場合が多いです。

 

特殊な乳酸菌使用など付加価値がついている製品はより高いです。

 

 

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乳酸菌飲料の効果は?

乳酸菌飲料はスーパーやコンビニでよく見かけます。

 

近年の腸活ブームもあり、手軽に始められる腸活として気になっている方は多いでしょう。

 

これら手軽に入手できる乳酸菌飲料ははたして健康に良いのか、どのような効果が期待できるのかについて検証してみました。

 

整腸作用は?便秘には効く?

 

市販の乳酸菌飲料には、酸に強い菌が配合された製品もありますが、それ以外の乳酸菌は胃酸でほぼ死んでしまいます。

 

運よく生き残った乳酸菌は腸内で酸を作ります

 

また、胃酸で死んでしまった菌の菌体成分は、腸内に棲む乳酸菌や善玉菌のエサになるという考えもあります。

 

生き残った菌や先住の乳酸菌によって作られる酸によって悪玉菌の増殖が抑えられ、腸内フローラは善玉菌が優位になって腸内環境が整います

 

また、酸に弱い病原性大腸菌の増殖が抑えられます

 

 

加えて、乳酸菌やビフィズス菌が作る酸は、大腸を刺激して活発に動かします

 

腸蠕動の活発化で便通が促されることで、排便回数が増え、便秘解消によりお腹の張りも軽くなります。

 

軟便気味や下痢気味の場合でも、腸内環境の変化により改善すると考えられています。

 

アレルギーに対する効果は

 

花粉症などのアレルギーは免疫のバランスが崩れて起こることが分かっています。

 

アレルギーに関わるのは免疫細胞のTh1とTh2と言われています。

 

バランスがくずれTh2細胞が優位になると、花粉などと反応するIgE抗体が過剰に作られてアレルギー反応が起こります。

 

花粉症に効くという乳酸菌にはTh1細胞を活性化させ、免疫細胞のバランスを整えることで花粉症やアトピー性皮膚炎のアレルギー症状を抑える作用が期待されています。

 

免疫力UP?

 

腸には体の6〜7割の免疫細胞が集まっているといわれています。

 

口から入ってきた細菌やウイルスは胃酸でほぼ死滅しますが、生き残ったものは小腸の免疫でやっつけられます。

 

適切な腸内環境は腸内の免疫機能にも影響を与えると考えられています。

 

また、殺菌済みの乳酸菌でも、その菌体成分が小腸の免疫を活性化させるという報告があります。

 

しかし、まだ研究段階で詳しい効果は分っていないというのが現状のようです。

 

 

乳酸菌飲料の飲み方

これまで見てきたように、さまざまな健康効果が期待できる乳酸菌飲料ですが、せっかく飲むなら効果的に飲みたいですよね。

 

また、毎日続けることが大事な健康法ですので、手軽に美味しく飲めるということも大事な要素です。

 

 

まず、乳酸菌飲料を効果的に飲む時間帯というのは特に決まっていませんが、食後が良いと言われています。

 

というのも、胃に食物が入って胃酸が薄まっているので、乳酸菌が胃酸にやられる確率が下がることが期待できるためです。

 

ただし、効果を期待してたくさん飲むのは糖分のとりすぎになるので控えてくださいね。

 

一度に大量に摂るよりも、毎日続けることが大切です。

 

 

薄めて飲むタイプの製品は、牛乳、ソーダ、スムージー、青汁などと混ぜて飲むこともできます。

 

乳酸菌のエサでもある食物繊維が豊富なものと組み合わせれば、相乗効果が期待できます

 

また、毎日続けるためにも、美味しく飲める組み合わせにすることはとても大事なことです。

 

 

殺菌処理されたもの以外の製品については、加熱はしない方がいいでしょう。

 

人肌程度でしたら大丈夫ですが、沸騰させるまで温めると生菌タイプはせっかくの乳酸菌が死んでしまいます。

 

また、加熱をすることにより、成分が固まってどろどろになったり酸味が強くなったりします。

 

 

乳酸菌飲料の選び方

スーパーやコンビニなどのコーナーに数多くの製品が並ぶ乳酸菌飲料。

 

選ぶのにも一苦労だと思います。

 

 

選び方のコツですが、まずはパッケージをよく見てみましょう

 

乳製品乳酸菌飲料乳酸菌飲料と書いてあるものを選んでください。

 

パッケージが乳酸菌飲料のようでも違うものがあります。

 

例えばビックルという製品は無脂乳固形分3%未満で殺菌済なので乳酸菌飲料にはあてはまらず清涼飲料水の扱いです。

 

 

特定保健用食品(トクホ)の製品もあります。

 

成分の効果が科学的に証明された、ということを国にお墨付きを与えられた製品です。

 

医薬品ほどの効果は期待できませんが、食品としては各メーカーの中でも上位の製品であると考えて良いでしょう。

 

 

トクホ製品の代表的なものとして、動物性乳酸菌の代表はヤクルト、植物性乳酸菌の代表はラブレがあります。

 

動物性と植物性の製品に大差はありません。

 

日本人には植物性が合うと言われていますが、個人差が大きいところがあります。

 

また、「トクホだから」「植物性だから」といっても体に合わなければ効果は実感できません。

 

ヒトの腸相は2週間で入れ替わると言われています。

 

しばらく続けて実感できなかったら別の製品や手段を試してみましょう。

 

 

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注意点について

乳酸菌飲料を利用するにあたっての注意点ですが、食品ですので飲みすぎたりしない限りは好ましくない症状が出る心配は少ないと考えて良いでしょう。

 

また、体の慣れや刺激といった心配も少ないため、毎日飲んでも大丈夫です。

 

ただし、糖分の摂りすぎには気を付けてください。

 

 

妊娠中や授乳中の方も飲めますが、冷たい飲み物での体の冷えとカロリーに注意です。

 

子供や高齢の方も同様です。

 

 

インターネットでよく見かける疑問について

ここからは、乳酸菌飲料に関して、インターネットなどでよく見られた疑問や質問をピックアップして解説してみようと思います。

 

 

Q. 賞味期限切れてしまったけど飲んでも大丈夫?

 

賞味期限とは味の期限です。

 

未開封で冷蔵庫に保管していれば、賞味期限を少し過ぎても安全上の心配は少ないですが、風味が落ちていたり酸っぱくなっていたりする可能性はあります。

 

おかしいと思ったら捨てる勇気が必要です。

 

Q. 高い製品の方が良い?

 

特定保健用食品(トクホ)の製品は効果が証明されていますが、値段が高い傾向にあります。

 

また、特別な種類の乳酸菌が配合された製品も高めの値段設定であることが多いです。

 

しかし、乳酸菌飲料は人によって体に合う合わないがありますので、『高い=良い』を実感できるとは限りません

 

Q. 自分で作りたい

 

「乳酸菌飲料をぐびぐび飲みたい」という需要はとても高いようで、インターネットにレシピを掲載している方もいます。

 

(詳しくは検索してみてください。)

 

味を似せるだけなら、食品添加物の乳酸とクエン酸を牛乳に加える方法があります。

 

味が似ているだけで乳酸菌は入っていません。

 

「あの味が好き!」という方以外には意味が薄いかもしれません。

 

 

牛乳にヨーグルトを加えて発酵させて作るレシピもありましたが、雑菌が入る可能性があるので注意してください。

 

 

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まとめ

 

便秘や花粉症やアレルギーが薬にたよらず解決できれば良いのですが、乳酸菌飲料はまだまだ研究段階で効果があるとは言いきれないところでした。

 

腸内環境は本当に人それぞれなので自分の体に合っているものがあればいいのですが、私もまだこれといったものは見つけられてなく、色々試行錯誤の日々です。

 

試してみたいという方は、糖分の摂りすぎに注意して、上手に取り入れてみてくださいね。


 

 

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