【薬剤師解説】酸化マグネシウム錠・細粒・重質酸化マグネシウム「ケンエー」について

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酸化マグネシウム錠・細粒・重質酸化マグネシウム「ケンエー」について

 

便秘薬の酸化マグネシウム錠・細粒「ケンエー」と重質酸化マグネシウム「ケンエー」について詳しくまとめました。

 

酸化マグネシウムの薬は何十年以上も前から便秘薬としてとてもよく処方されています。


 

目次:

 

 

酸化マグネシウム薬「ケンエー」について

「ケンエー」と名前がつく酸化マグネシウムの薬は原則として医師の処方せんが必要な医療用医薬品です。

 

酸化マグネシウム薬「ケンエー」のラインナップ

 

「ケンエー」の酸化マグネシウム製剤には錠剤と粉薬があります。

 

名前 剤形 薬価(円)
酸化マグネシウム錠250mg「ケンエー」 錠剤 5.60/錠
酸化マグネシウム錠330mg「ケンエー」 錠剤 5.60/錠
酸化マグネシウム錠500mg「ケンエー」 錠剤 5.60/錠
酸化マグネシウム細粒83.3%「ケンエー」 粉薬 12.60/1g
重質酸化マグネシウム「ケンエー」 粉薬 15.10/10g

 

酸化マグネシウム錠○○mg「ケンエー」

 

酸化マグネシウム錠「ケンエー」は症状に応じた処方に対応できるよう、250mg、330mg、500mgの3種類の規格があります。

 

錠剤にはレモン風味がつけられていて、飲みやすいよう工夫がされています。

 

 

普通の錠剤と同じように服用できますが、この錠剤に限ってはメーカーおすすめの方法があります。

 

それは、水をひとくち口に含んでから薬を口の中にいれる方法です。

 

口の中で錠剤と水があわさるとすばやく崩れて形がなくなって飲みこみやすくなります。

 

そのままコップ1杯の水で飲んでください。

 

重質酸化マグネシウム「ケンエー」

 

酸化マグネシウムの粉薬は2種類あり、重質酸化マグネシウムと細粒があります。

 

 

重質酸化マグネシウムは酸化マグネシウムそのままの粉です。

 

重質とは5.0gの容積が30mL以下のものを指します。

 

以前は30mL以上の軽質と重質で分かれていましたが、効果そのものは同じため区別されなくなりました。

 

重質という表示は、その頃なごりで今でも使われているものです。

 

通称「重カマ」「カマ」と呼ばれます。

 

 

重質酸化マグネシウム「ケンエー」は、香料などは特に添加されていません。

 

独特の苦い味やざらざら感があり、慣れない人にとっては少し飲みづらいかもしれません。

 

 →『粉薬が飲みづらいときは・・・』

 

酸化マグネシウム細粒と比べると、同じ成分量に対して体積がコンパクトで飲みこみやすいといわれます。

 

酸化マグネシウム細粒83.3%「ケンエー」

 

重質酸化マグネシウム「ケンエー」を改良したのが酸化マグネシウム83.3%細粒です。

 

重質酸化マグネシウムの口に入ったときのざらざら感を減らすため、粒子を細かくし、レモンの風味をつけて苦さを感じにくくしました。

 

 

さらに酸化マグネシウム細粒には開発側の工夫があります。

 

酸化マグネシウムの粒子が細かくなると、小麦粉のように粉どうしがくっついてしまい、取り扱いにくくなります。

 

服用するときに袋をあけて傾けてもさらさらと出てこないと困りますよね。

 

そこで、細かい粒子どうしを口の中で溶ける体に安全な「接着剤」でくっつけました。

 

取り扱うときは粒子が適度に大きいのでさらさら、口に入れると「接着剤」が溶けて細かく分散、となるように開発されています。

 

 

この細粒1.2g=酸化マグネシウム1g分です。

 

残りの0.2gは接着剤の分などの添加物です。

 

「ケンエー」は会社名

 

薬の名前の「」は製造販売元をあらわしています。

 

「ケンエー」は健栄(けんえい)製薬です。

 

健栄製薬は医薬品規格の製品と消毒薬のトップメーカーです。

 

 

「」の中身が異なる名前(例えば「ヨシダ」「モチダ」)でも、薬の名前に「酸化マグネシウム」と書いてあれば主成分は同じです。

 

薬に含まれる添加物は製造販売元によって異なる可能性があります。

 

 

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酸化マグネシウム薬「ケンエー」の効果

「ケンエー」のものをはじめとする酸化マグネシウムの薬には3つの効果があります。

 

便秘症の改善、胃酸を中和する制酸作用、尿路結石の予防です。

 

これら3つのうち、一番多く処方されているのが便秘症に対してです。

 

酸化マグネシウムは便秘症に対しておだやかな効果を発揮し副作用が比較的少ないため、便秘に悩む幅広い年代の方に処方されています。

 

便秘症の改善

 

便秘症に効くわけは腸の中に水分を呼び寄せて便を体の外に出しやすくするからです。

 

 

酸化マグネシウムの薬を服用して、腸の中にマグネシウムが増えると水分が集まってきます。

 

すると便秘で固くなった便が水を吸ってふくらみ、腸を押して排便するようにうながします。

 

薬で腸を無理やり動かすわけではないのでお腹が痛みにくく自然なお通じに近くなります。

 

さらに水分で便がやわらかくなることでするりと出しやすくなります。

 

便秘症以外の効果

 

制酸作用と尿路結石の予防については以前は処方されていましたが、新しい薬がたくさんある今ではあまり選ばれなくなりました。

 

制酸作用

 

胃に入った酸化マグネシウムが胃酸を中和して胃の粘膜を守ります。

 

胃酸の出すぎでおこる胃潰瘍や十二指腸潰瘍の症状をやわらげます。

 

尿路結石(シュウ酸カルシウム結石)の予防

 

シュウ酸カルシウム結石の原因のひとつが尿の中のシュウ酸です。

 

腸から吸収されたマグネシウムは腎臓で尿が作られるときにシュウ酸とくっつき、尿と一緒に体の外に出しやすくします。

 

服用からどのくらいで効く?

 

酸化マグネシウム便秘薬の効果があらわれるまでには、薬を服用してから8〜10時間かかります。

 

しかし個人差が大きく、速いと数時間で効く方もいます。

 

便秘薬として初めて服用するときは、念のためお休みの前の日や大事な予定のない日に使用するのが安心でしょう。

 

他の便秘薬との違い

 

酸化マグネシウム便秘薬と、センノシド製剤アローゼンなどの他の便秘薬との違いは、副作用が少なく耐性がつきにくいことです。

 

他の便秘薬で腸を刺激する成分が入っているものは長期間服用していると体が刺激に慣れて効かなくなることがあります。

 

これが耐性です。

 

酸化マグネシウムは腸を刺激するタイプの便秘薬ではなく、腸内の水を調節するだけなので、耐性が起こりにくいとされています。

 

 

一方で、効果は他の腸を刺激するタイプの便秘薬と比べるとおだやかです。

 

効かない場合は他の薬と組み合わせたり、薬を変えたりすることがあります。

 

 

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酸化マグネシウム薬「ケンエー」の使用方法

酸化マグネシウム薬「ケンエー」の用法・用量や、上手な飲み方、保管方法についてご紹介します。

 

酸化マグネシウム薬「ケンエー」の用法・用量

酸化マグネシウムの薬は、どの治療を目的とするかによって用量と用法が変わります。

 

添付文書上の用法用量

 

下記は添付文書上に記載されている一般的な用量です。

 

症状に応じて量や回数は変わります。

 

  成人の用量(成分量)
便秘症の改善 1日2,000mgを1日3回に分ける
もしくは寝る前に1回
制酸作用 1日500〜1,000mgを1日数回に分ける
尿路結石の予防 1日200〜600mgを多量の水と服用

 

便秘症に対しての用量

 

便秘症に対する用量は、成人は成分量として1日2,000mgを1日3回に分ける、もしくは寝る前に1回が通常です。

 

もちろん症状や体調に応じて医師の判断で変わります。

 

子供は成人よりも少ない量で半分〜三分の一に減らします。

 

 

医師から症状に合わせて量を調節してよいと指示があれば、上限の指示がない限り増やせる量は1日2gまでです。

 

2gとはどのぐらいの量かを、薬の剤形ごとにまとめました。

 

もしも増やすときは、体の調子を確かめながら少しずつ増やしてください。

 

  1日の合計
酸化マグネシウム錠250mg 8錠まで
錠330mg 6錠まで
錠500mg 4錠まで
酸化マグネシウム細粒83.3% 2.4gまで
重質酸化マグネシウム 2.0gまで

 

酸化マグネシウム薬「ケンエー」の保管方法

 

酸化マグネシウムの薬は湿気に気を付けて室温で保管してください。

 

冷蔵庫へ入れる必要はありません。

 

粉薬が飲みづらいときは・・・

 

重酸化マグネシウム「ケンエー」などの粉薬はザラザラとした感触で、「上手く飲み込めない」「入れ歯や差し歯の隙間に入って痛い思いをした」などの理由から苦手にする人が多い剤形です。

 

このような粉薬が飲みづらいときは、オブラートに包むとするりと飲みやすくなりますので、苦手な方は試してみると良いでしょう。

 

オブラートの上手な使い方は下の動画を参考にしてみてください。

 

 

 

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酸化マグネシウム薬「ケンエー」の注意点

「ケンエー」の酸化マグネシウム製剤を利用する上での注意点をまとめてみました。

 

酸化マグネシウム薬「ケンエー」の副作用

 

「ケンエー」の酸化マグネシウム製剤の副作用のうち、比較的多いものと、起きるケースはまれですが注意が必要なものを挙げます。

 

下痢に注意

 

酸化マグネシウムの薬には腸に水を集める作用があるので、水が集まりすぎると便がゆるくなります。

 

効きすぎると下痢になる可能性があります。

 

下痢の症状が出た場合は、担当の医師や薬剤師と相談をして下さい。

 

このケースでは、薬をお休みするか量を減らして対応することが多いです。

 

高マグネシウム血症

 

酸化マグネシウム製剤を使用するにあたり、用法用量を守って服用している分には起こる可能性はまれですが、注意が必要なのが高マグネシウム血症です。

 

血液中のマグネシウム濃度が高くなることで体によくない症状がでてきます。

 

 

特に、高齢者や腎臓機能が低下した方は、マグネシウムを体の外に出しづらくなっているので注意が必要です。

 

酸化マグネシウム製剤服用中の体調変化にはくれぐれも気を付けてください。

 

 

高マグネシウム血症の前兆は、吐き気、ふらふら感、だるさ、めまい、皮膚が赤くなる、などです。

 

症状がすすむと、脈が弱くなる、意識がもうろうとするなどの症状が出はじめ、最悪命にかかわることもあります。

 

いずれにしても、体の調子がおかしいと思ったら医療機関を受診してください。

 

酸化マグネシウム製剤と他の薬との飲み合わせ

 

酸化マグネシウムと相性が良くない薬がいくつかあります。

 

  • テトラサイクリン系抗生物質のミノマイシン(ミノサイクリン)
  • ニューキノロン系抗生物質のシプロキサン(シプロキサシン)、オゼックス(トスフロキサシン)
  • アレルギーの薬のアレグラ(フェキソフェナジン)

・・・などがあります。

 

 

ここに挙げたのは一例です。

 

ほとんどは間隔を2〜3時間あければ問題ありません。

 

例えば、他の薬が食後服用なら、酸化マグネシウムの薬は数時間あけて寝る前や食事の間に服用する、などです。

 

 

他の薬を一緒に飲んでいる方は、基本的に医師や薬剤師がおくすり手帳などでチェックしています。

 

かかりつけ医ではない医療機関を受診する場合は、酸化マグネシウムを服用している旨を伝えるか、窓口でおくすり手帳を提示してください。

 

また、市販の薬やサプリメントを使用している場合は、念のため医師や薬剤師にその旨を伝えると良いでしょう。

 

食べ物との飲み合わせで注意が必要なものは?

 

「ケンエー」のものをはじめとする酸化マグネシウム製剤を服用中は、カルシウムを多く含む食べ物硬水の摂取には注意が必要です。

 

牛乳・乳製品

 

酸化マグネシウムと一緒にカルシウムを摂りすぎると、血液中のカルシウム濃度が上がる高カルシウム血症になる恐れがあります。

 

ミルクアルカローシスともいわれます。

 

 

しかしながら、カルシウムの必要量は人によって違うため、どのぐらいの量までなら一緒に摂っても大丈夫という指標がないのです。

 

カルシウム剤を服用している方もいらっしゃるので必要な方が制限することはすすめていません。

 

一説によれば牛乳に換算すると1日1L、カルシウム換算で1日1,000mgまでといわれています。

 

チーズ、ヨーグルト、アイスクリームなどの乳製品もカルシウムを多く含みますが、摂り過ぎないなら問題ないといわれています。

 

 

高カルシウム血症は軽いうちは症状がでません。

 

進行すると手足に力が入らない、だるさ、吐き気、食欲不振、めまいなど多岐にわたる症状が出ます。

 

硬水のミネラルウォーター

 

ミネラルウォーターで特に外国産の硬水にはマグネシウムを始めとしたミネラル分が多く入っています。

 

酸化マグネシウムの薬と一緒に飲むとマグネシウムがたくさん体の中に入って便がゆるくなりすぎる恐れがあります。

 

妊娠中・授乳中の方の服用について

 

酸化マグネシウムの薬は便秘薬の中でも比較的安全性が高いとされていて、妊娠中の方や授乳中の方にも処方されることが多い薬です。

 

妊娠中の方、授乳中の方で、主治医から処方された薬を用法用量を守って服用する限りは、赤ちゃんに影響はないといわれています。

 

以前処方された薬や市販薬は服用する前に主治医へ相談してください。

 

薬の量を自分で調整してもいい?

 

「調子が良くなってきたので薬を減らしたい」、逆に「良くならないので増やしたい」と思うときがありますよね。

 

しかし、自己判断で量を増やしたり減らしたりするのは避けてください

 

これは酸化マグネシウム薬「ケンエー」に限った話ではなく、処方薬全体に言えることです。

 

 

なお、あらかじめ処方した医師の指示があればOKです。

 

指示がない場合は次の受診の際に改めて相談するのがおすすめです。

 

 

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「ケンエー」の酸化マグネシウム製剤の入手について

「ケンエー」の酸化マグネシウム製剤の入手方法や市販品について、ジェネリック医薬品(後発品)についての情報についてまとめていきます。

 

酸化マグネシウム薬「ケンエー」の後発品(ジェネリック)はある?

 

酸化マグネシウム錠と細粒「ケンエー」、重質酸化マグネシウム「ケンエー」はすべて後発品(ジェネリック医薬品)です。

 

「ケンエー」の酸化マグネシウム製剤はドラッグストアで買える?

 

「ケンエー」の名前がついている酸化マグネシウム製剤は医療用医薬品のため、医師の処方がないと購入ができません。

 

しかし、医療用の酸化マグネシウムと同じ成分が入った便秘薬には、医師の処方なしでドラッグストアで購入できる市販のものもあります。

 

そのひとつが「酸化マグネシウムE便秘薬」です。

 

上記の酸化マグネシウム薬「ケンエー」の製造販売元である健栄製薬が製造しています。

 

 

酸化マグネシウムE便秘薬は錠剤の薬です。

 

レモン香料と甘味料が入っているので苦みを感じにくい工夫がされています。

 

主成分の酸化マグネシウムは6錠で2,000mg入っています。

 

用法は成人で1日1回3〜6錠を寝る前か空腹時に服用します。

 

 

酸化マグネシウムE便秘薬は薬剤師か登録販売者のいるドラッグストアで取扱いがあります。

 

また、ケンコーコムやAmazon(プライム会員のみ)等でのネット通販でも購入できます。

 

参考価格は90錠入りで1,200円です。

 

 

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まとめ

 

酸化マグネシウムはお腹が痛くなりにくい便秘薬です。

 

体への負担が少ないので、腸を刺激するタイプの下剤を常用している方は、下剤依存から脱するために「ケンエー」をはじめとした酸化マグネシウム系便秘薬へ徐々にシフトをしていくことが理想です。

 

 

便秘体質の方は、薬を服用してまずしっかり出す習慣をつけることが大切です。

 

しかし、注意をしてもらいたいのは、酸化マグネシウム製剤も下剤で、それ自体に便秘体質を改善する効果はない、ということです。

 

排便習慣がついたら、薬を徐々に減らすためにも食事や生活に気を付けるのが良いでしょう。


 

 

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