リンゼス錠0.25mgはストレス性の便秘・腹痛・不快感の新薬

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リンゼス錠0.25mgの効果、副作用、注意点について薬剤師が解説!

 

新しい便秘薬のリンゼス錠0.25mgについて解説します。

 

リンゼス錠0.25mgは「便秘型の過敏性腸症候群」の新薬です。

 

この病気は最近知られるようになり、ストレスや緊張によって便秘や腹痛の症状が悪化します。

 

「便秘とともに腹痛やお腹の不快感が続く」「便秘が治ったと思っても繰り返す」といった症状は、もしかすると便秘型の過敏性腸症候群かもしれません。


 

目次:

 

病院で処方される便秘薬の種類と効果について薬剤師が解説!

医療用便秘薬の種類一覧|酸化マグネシウムやプルゼニド、ビオフェルミンなど

 

 

リンゼス錠0.25mgと便秘型の過敏性腸症候群について

リンゼス錠0.25mgは、便秘型の過敏性腸症候群による便秘・腹痛・不快感に対して効果を発揮する新薬です。

 

日本で便秘型の過敏性腸症候群に特化した治療薬はリンゼス錠0.25mgが初めてです。

 

リンゼスの成分と由来

 

リンゼス錠0.25mgの成分はリナクロチドという名前で、これはアメリカのアイアンウッド社で開発されました。

 

日本ではリンゼス錠0.25mgは2016年12月に承認され、翌年2017年3月にアステラス製薬株式会社から発売されました。

 

 

リンゼス(LINZESS)という製品名は主成分であるリナクロチド(Linaclotide)が由来となっていて、Linaclotideの頭三文字に接尾辞zessをつけて名前らしい響きを持たせたものです。

 

毒から生まれた薬

 

余談ですが、リンゼス錠0.25mgの成分のリナクロチドは下痢を起こすコレラ菌や一部の大腸菌の毒素を参考にして作られました。

 

菌の毒素の成分を分析して、人に対してちょうどよく効くように研究した成果がリンゼス錠0.25mgです。

 

リンゼス錠0.25mgの見た目、薬価、包装

 

まず、リンゼス錠0.25mgの『0.25mg』は成分のリナクロチドの量です。

 

リンゼス錠0.25mgの見た目は直径9.6mmの丸い錠剤で、淡い黄色をしています。

 

フィルムコーティングされているため味は特にありません。

 

リンゼス錠0.25mgの薬価は1錠あたり92.40円、成人はリンゼス錠0.25mgを通常1日1回2錠服用するので、その場合1日あたりの薬価は184.8円になります。

 

ただし、実際に負担する金額は医療機関代と医療費の自己負担割合によります。

 

 

包装は、リンゼス錠0.25mgが1錠ずつ仕切られたアルミパックに入っています。

 

薬でよく見かける押し出すタイプのPTP包装ではありません。

 

PTP包装と比べるとアルミパックの包装は大きくてかさばるのが欠点です。

 

それでもアルミパックに入っている理由は湿気対策です。

 

リンゼス錠0.25mgは湿気に弱いため、湿気バリアと乾燥機能を持った特殊なフィルムを使った包装で守られているのです。

 

 

リンゼス錠0.25mgを服用するときはアルミパックを手で切って取り出します。

 

湿気に弱いので、取り出したらすぐに服用しましょう。

 

家で保管するときは、アルミパックを開けない限りは高温多湿を避けた場所であれば問題ありません。

 

 

医療機関向けのパッケージはリンゼス錠0.25mgの用量のみで、100錠包装だけの発売です。

 

どんな人に処方される薬か

 

リンゼス錠0.25mgが処方されるのは便秘型の過敏性腸症候群と診断された方だけです。

 

しかし、便秘型の過敏性腸症候群と診断されたらすぐに薬で治療というわけではありません。

 

診断されたらまずは食事療法と運動療法を試し、それでも症状が良くならない場合にリンゼス錠0.25mgや他の治療薬が処方されます。

 

薬剤師・看護師が解説する過敏性腸症候群の症状、治療法についての記事はこちら

過敏性腸症候群の症状と治療、薬について

 

 

他の治療薬にはビフィズス菌や乳酸菌が入った整腸剤、腸の動きを調節するセレキノン、腸内の水分量を調節するコロネル、便秘に対してマグミットなどの下剤、腹痛に対してトランコロンやブスコパンなどがありますが、いずれも便秘型の過敏性腸症候群に特化しているわけではありません。

 

症状に応じて複数の治療薬が処方されることもあります。

 

その点、便秘型の過敏性腸症候群に特化した治療薬のリンゼス錠0.25mgは、1種類の服用だけで症状の改善が期待できます

 

 

リンゼス錠0.25mgはまだ発売されて間もないですが、便秘型の過敏性腸症候群と診断された方のうち初めて薬で治療する方や他の薬が効きづらい方に対して、これから処方されていくだろうと考えられます。

 

ジェネリックの有無

 

リンゼス錠0.25mgのジェネリックはありません。

 

便秘型の過敏性腸症候群とは?

 

便秘型の過敏性腸症候群』とはどんな病気かを簡潔にまとめました。

 

 

まず、便秘型の過敏性腸症候群の主な症状は、慢性的で繰り返す便秘、腹痛、腹部の不快感です。

 

症状は良くなったり悪くなったりを繰り返します。

 

便秘が解消すると腹痛や不快感もなくなるのも特徴です。

 

腸と体の検査(尿検査、便の検査、血液検査、レントゲン、必要に応じて内視鏡など)をしても不調の原因が見つからず、薬や食事の影響などもないのに症状が続くときに、医師が便秘型の過敏性腸症候群と診断します。

 

 

さらに、『便秘型』というのは、過敏性腸症候群という病気のくくりのなかで便秘がよく起こる場合につけられる病名です。

 

過敏性腸症候群の種類

 

過敏性腸症候群はIBS(irritable bowel syndrome)と略します。

 

 

過敏性腸症候群は一番よく起こる困った症状によって次に挙げる4つの型に分けられます。

 

過敏性腸症候群のなかで固い便や便秘症状が多いのが便秘型、軟便や下痢が多いのは下痢型、便秘も下痢も起こるのが混合型、どれにもあてはまらないのが分類不能型です。

 

IBSの型 主な症状
便秘型 固い便、便秘、腹痛
下痢型 急な腹痛、便意、下痢
混合型 便秘と下痢を繰り返す、腹痛
分類不能型 腹痛、不快感、便秘でも下痢でもない

 

なぜ過敏性腸症候群になってしまうのか、メカニズムは解明されていません。

 

原因として考えられるのはストレス、遺伝子、腸内細菌、腸の炎症、などがありますが、これという決定的なものはまだ分かっていません。

 

 

ちなみに、過敏性腸症候群『ガス型』という表現をインターネット上で見かけますが、正確には成人の場合に『ガス型』という診断名はありません

 

(小児の場合は存在します)

 

ガス型という成人には本来無い病名が広がった理由はおそらくですが、おならがたくさん出て音や匂いに悩む方がインターネットで検索して『ガス型』という言葉を見つけ、多くの方が「自分の症状はこれだ!」と思ってしまったからかもしれません。

 

たしかに、過敏性腸症候群が原因でおならが多く出ることはありえますが、おならがたくさん出る症状が起こる病気は空気嚥下症、機能性ディスペプシアなど他にもたくさんあります。

 

そのため、『おならがたくさん出る=過敏性腸症候群』とはいいきれません。

 

また、おならは生活習慣による便秘や腸内環境の悪化で起こることもあります。

 

慢性便秘症との違い

 

便秘に悩む方は、自分が便秘型の過敏性腸症候群にあてはまるのかどうかが気になりますよね。

 

いわゆる普通の便秘(慢性便秘症)と便秘型の過敏性腸症候群の症状の違いを下の表にまとめましたが、医師の診察なしでは診断できないので、気になる方は消化器専門医への受診をおすすめします。

 

便秘型の過敏性腸症候群のポイントは「腹痛も起こる」「便秘とそうでないときを繰り返す」ですが、個人差があるので、あくまで参考程度にご覧いただければと思います。

 

便秘型の過敏性腸症候群 慢性便秘症
主な症状 便秘、腹痛、不快感 便秘
腹痛の頻度 週に1回以上 個人差あり
年齢 20〜40代に多い 全年齢
男女比 男女比は約2:3 若年では女性が多く高齢では男女両方
便の固さ 基本的に固いが、軟便や普通の固さのときもある ずっと固い
症状 良くなるときもある ずっと続く
排便回数 一定でない 週に2回以下

 

便秘薬のアミティーザとの違い

 

さて、リンゼス錠0.25mgと似た作用がある便秘の治療薬にアミティーザがあります。

 

アミティーザは、腸の中と腸の壁をつなぐイオンの通り道に働きかけて腸の中へ塩化物イオンと水分を運び込む作用があります。

 

腸の中に水分を増やして便秘を解消する効果はリンゼス錠0.25mgと同じです。

 

 

ただ、アミティーザは海外では便秘型の過敏性腸症候群に対して承認を受けていますが、日本では慢性便秘症に対してだけの承認しか受けていません。

 

つまり、日本ではアミティーザは慢性便秘症の患者の治療に処方されているのが現状です。

 

 

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効果と特徴

効果が出るまでの時間

 

リンゼス錠0.25mgは服用してからどのくらいで効くのでしょうか。

 

この記事を書いている時点での最新データである治験の結果を紹介します。

 

 

日本での便秘型の過敏性腸症候群の患者を対象とした治験の結果では、リンゼス錠を0.5mg分(成人の1日分の量)服用して24時間以内に72.3%の方が自然なお通じを、24.9%の方が残便感のない腸がカラになるようなすっきりしたお通じがあったという数値がでました。

 

リンゼス錠0.25mgの効果のひとつである『腹痛や不快感の改善効果』については短い期間でのデータはありませんが、12週間で29.3%の方が改善したという結果でした。

 

腸と神経の両方に働く

 

リンゼス錠0.25mgは便秘型の過敏性腸症候群の便秘、腹痛、不快感の症状に効果があります。

 

 

体の中でリンゼス錠0.25mgは腸の細胞と痛みを感じる腸の知覚神経の2か所に働きかけます。

 

まず、リンゼス錠0.25mgは腸の細胞を活性化して、腸液をたくさん分泌させる働きをするとともに鈍った腸の動きを正常に近づけます

 

すると、腸の中で固くなっていた便がたくさん出てきた腸液でふやけて柔らかくなります。

 

さらに、正常化した腸の動きにより便が体の外に出やすくなります。

 

 

また、便秘型の過敏性腸症候群では腸の知覚神経が過敏になっていて、便秘で腸が圧迫されるなどの少しの刺激でも痛みや不快さを感じやすくなっていることが最近の研究によって分かりました。

 

そこにリンゼス錠0.25mgが作用して、過敏になった腸の知覚神経を抑えます

 

リンゼス錠0.25mgが腸の知覚神経にも効くことと、さらに便秘が解消することで、便秘型の過敏性腸症候群にともなう腹痛や不快感が解消されるのです。

 

副作用が少ない

 

リンゼス錠0.25mgのもうひとつの特徴は、体の中にほとんど吸収されずに腸だけに働く点です。

 

そのため、肝臓や腎臓が良くなくて治療薬の選択に制限がある方でもリンゼス錠0.25mgは服用できます。

 

吸収されないということはリンゼス錠0.25mgが全身におよぼす影響も少ないので他の便秘薬よりも副作用が少ないです。

 

化学的な話になってしまいますが、リンゼス錠0.25mgの成分リナクロチドはアミノ酸が14個つながってできています。

 

リンゼス錠0.25mgを服用すると錠剤は胃酸に耐えて腸に届き、腸の中で効きながら腸液の酵素で分解されて、最終的にアミノ酸が2~3個つながった小さいかけらやばらばらのアミノ酸にまで分解されて便と一緒に体の外に出されます。

 

 

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用法用量

1日1回食前に服用

 

通常、成人はリンゼス錠0.25mgを1日1回、一度に2錠を食事の30分に服用します。

 

錠剤の量は症状に応じて1錠になることがあります。

 

なぜ食前に服用?飲み忘れてしまったら?

 

リンゼス錠0.25mgの服用は食事の前と決められています。

 

それは、食後に服用すると副作用である下痢になる恐れが強まると治験で分かったからです。

 

また、食後に服用した場合の体への安全性も確かめられていないためです。

 

 

とはいっても、食事の前という指示はうっかり忘れてしまいがちです。

 

もし服用し忘れてしまったときはその日は服用を休み、次の日のリンゼス錠0.25mgを服用すべき時間にいつもどおり1日分を服用してください。

 

 

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副作用と注意点

副作用

 

リンゼス錠0.25mgの副作用でまず起こりうるのは下痢です。

 

特に飲み始めて最初の数日は下痢が起こりやすいので体調に気を付けて様子を見てください。

 

下痢になってしまってもたいていは数日で良くなりますが、下痢がひどいときや続くときはリンゼス錠0.25mgを処方した医師や薬局へ相談してください。

 

 

禁忌・慎重投与・注意が必要な場合

 

リンゼス錠0.25mgは消化管閉塞の疑いがあると服用できません

 

ただでさえ腸が詰まっているところにリンゼス錠0.25mgの効果で水分が入ると腸が膨らんでしまいます。

 

さらに、便を出そうとして腸が無理やり動くと、腸の壁に負荷がかかって穴が開いてしまう恐れがあるからです。

 

 

また、リンゼス錠0.25mgに対して過敏症(アレルギー)がある方も服用できません

 

妊娠中の方、授乳中の方は医師の指示通りに

 

妊娠中や授乳中の方に対してのリンゼス錠0.25mgの安全性は確立されていないので、慎重な対応になります。

 

リンゼス錠0.25mgは動物実験で胎児への毒性が報告されているので、妊娠中の方の服用については「服薬のメリットが危険性を上回る」という主治医の判断が必須です。

 

また、授乳中の方はリンゼス錠0.25mgを服薬している間は授乳を避けてください

 

高齢者、子供は副作用に気を付ける

 

高齢者や子供の場合は、リンゼス錠0.25mgが効きすぎる恐れがあるため、副作用の下痢や下痢で起こる脱水症状に注意が必要です。

 

食べ合わせ、飲み合わせ

 

リンゼス錠0.25mgには特に注意が必要な食べ合わせや薬の飲み合わせはありません。

 

他の便秘薬と一緒に飲んでもよい?

 

リンゼス錠0.25mgと一緒に他の便秘薬も服用してもよいのでしょうか?

 

答えは、リンゼス錠0.25mgを処方した医師が一緒に他の便秘薬を処方していて、その医師の指示通りに服用するのでしたらOKです。

 

しかし、決して市販薬や他の医師が処方した便秘薬を自己判断では服用しないでください

 

予期せぬ副作用が起こる恐れがあるので、必ずリンゼス錠0.25mgを処方した医師に相談しましょう。

 

 

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海外での状況とこれから

リンゼスの海外での発売状況

 

リンゼスは海外ではアメリカ、カナダ、ヨーロッパで発売されています。

 

アメリカではLINZESS、カナダとヨーロッパではCONSTELLAという名前です。

 

ちなみに両方ともカプセル剤です。

 

そして、日本と承認内容が異なります。

 

 

まず、カナダとヨーロッパでは日本と同様に便秘型の過敏性腸症候群に対してだけで承認を受けています。

 

アメリカではそれに加えて慢性特発性便秘に対しても承認も受けています。

 

慢性特発性便秘とは他の病気や薬剤が原因で起こる便秘です。

 

 

そして、薬の成分量が異なります。

 

便秘型の過敏性腸症候群の治療に使う場合の成分量は、日本ではリナクロチドとして成人1日あたり0.5mgですが、アメリカ・カナダ・ヨーロッパでは0.29mgと少なく設定されています。

 

この成分量は欧米人や日本人での治験の結果から決められたものですが、一説では日本人は欧米人より腸が長く便秘がちなので薬の成分が多い方が効果的だったからといわれています。

 

 

なお、アジア圏では香港で承認済ですがまだ発売されておらず、中国では承認審査中です。

 

慢性便秘

 

便秘型の慢性過敏性腸症候群の治療薬のリンゼス錠0.25mgですが、慢性便秘症にも効果があるのかどうか治験を行っている最中です。

 

リンゼス錠0.25mgが慢性便秘症にも効くと治験結果が出て日本で承認されれば、便秘で悩む多くの方にリンゼス錠0.25mgが処方されるようになると思います。

 

便秘薬の選択肢が増えますね。

 

 

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薬剤師によるまとめ

 

便秘型の慢性過敏性腸症候群は気長に付き合う必要のある病気です。

 

目指すのは「毎回ちょうどよい固さのいいお通じになること」です。

 

固くても軟便でもうまく出し切れず腸の中に便が残ってしまうので、不快な症状が続いてしまいます。

 

ですので、「ちょうどよい固さで出す」という習慣を身に着けることが、症状の改善のためには大切です。

 

リンゼス錠0.25mgなどの治療薬の力を借りるときは、水分や食物繊維をしっかりとる、体をこまめに動かす、ストレス解消方法を見つける、リラックスを心がけるようにするとより良いといわれていますよ。


 

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